【レシピ本レビュー】わたしのドールブック リカちゃん no.1 フエルトあそび

市販のレシピ

こんにちわ、お人形手芸部 部長の三島るぃです。

たくさん種類のある、お人形手芸に関する本。
どんなレシピが載ってるの? 作りやすさは??

今回紹介するのは「わたしのドールブック リカちゃんー no.1 フェルトあそび」
基本的な内容と、実際に読んだ(使ってみた)感想をお伝えします。

わたしのドールブック リカちゃん no.1 フエルトあそび

基本データ

発売日1997年6月1日
1998年3月1日(新装版)
著者和田 恵美子
出版社日本ヴォーグ社
ページ数66P
ISBN978-4529029223
978-4529030946(新装版)
わたしのドールブック リカちゃん no.1 フエルトあそび

著者は「わたしのドールブック ジェニー no.1 パーティードレス」にもロングドレスのレシピを提供されている、フリーデザイナーで当時新宿ヴォーグ学園にて人形ドレス講座の講師をされていた和田恵美子さんです。

1997年に発売されたものは「リカちゃんフエルトあそび」というタイトルでしたが、わたしのドールブックのジェニー・リカちゃんのレシピ本がそれぞれシリーズ化されたからか、1998年の新装版よりタイトルが「リカちゃん no.1 フエルトあそび」と改められました。

すでに絶版となっているので書店で注文はできませんが、古本店やネット通販、フリマサイトを通じて入手することは可能です。

特徴

タイトル通り、リカちゃん人形に着せるためのフェルトを使ったお洋服のレシピ集です。
20cm×20cmのフエルトを使用しています。

カジュアルスタイルの掲載もあるものの、メインはドレス。
裾の広がる豪華な雰囲気のドレスの掲載が多めです。
「フエルトあそび」ということで、お人形遊びに使えるフエルトで作るお料理の掲載もあります。
一部(ソックス・手袋等)のレシピではフエルトを使用していません。

手縫い(巻き縫い)で作成することを想定した内容になっています。
子どもが作る、または大人と子どもが一緒に作ることも想定されているような記載がいくつか見られます。
縫い付けるものもありますが、装飾の大半は手芸用ボンドで貼り付けるタイプです。
ステッチ・刺繍を使って装飾を施す作品もあるので、ステッチの仕方も掲載されています。

最初に掲載されている「超かんたんワンピース」だけがちからボタンで留めるようになっているのみで、あとのほぼ全てのお洋服はスナップボタンで留める方式です。
お洋服以外では、約13種類の帽子のレシピが載っています。

全てのレシピに実物大型紙が収録されていますが、作り方に関しては、残念ながら順を追って丁寧に工程を説明するページはなく、手順の全てがイラスト解説です。
イラストと型紙がぎゅうぎゅうに詰め込まれているので、ゴチャゴチャして見辛い印象があります。

お洋服・小物はカラーページで載っており、型紙のページは1色刷りになっています。

  • 手縫い(巻き縫い)で作成するレシピ
  • 子ども もしくは 子どもと大人が一緒に作ることも想定した内容
  • ドレスの掲載が多い
  • 帽子のレシピが豊富
  • 全て実物大の型紙が収録

レシピの数と種類

レシピには番号が振られていませんが、お洋服以外の小物も含めると100種類以上、お洋服だけでも約47点の掲載があります。

下のリストは私が個人的にまとめたものになります。
同じアイテム名で数点の掲載があったものや、表記方法に迷うものもありましたので、全てを網羅できているわけではないことをご了承ください。

カテゴリアイテム
ワンピース超かんたんワンピース
ワンピース
袖あり・袖なし
ブルマータイプ
バルーンスカート
ドレス
ギャザー袖がつかないタイプ
ギャザーの袖をつけるタイプ
ロングドレス
ウェディングドレス
民族衣装風ドレス
ピエロ風のドレス
パーティードレス
アンティークドレス
ファンシードレス
エプロン
トップスセーラーカラーのブラウス
オーバーブラウス
角えりのシャツ
ケープ付きコート
ベスト
ジャケット
ボトムス巻きスカート
キュロットスカート
ペチコート
ジャンパースカート
ソックスくつ下
ふたつ折りソックス
服以外の小物ヘアーバンド
ヘッドドレス
帽子
三角巾
バッグ
リュック
うさぎのマフラー
手袋
ブーツ
ピエロブーツ
その他ハートもようのしきもの
パッチワークの壁飾り
ラグ
クッション
うさぎのぬいぐるみ
くまのぬいぐるみ
ダックスフンド
テディベア
ブーケ
リース
植木
ランチョンマット
平らな料理

記載のレシピを使って作品を作る際の注意点

この本が発売された当時は今のように誰もがネットを利用しているような環境ではありませんでした。
作ったお洋服についても「個人が家庭内・お友達同士で楽しむ」ことが前提で、おそらく地域のバザー程度くらいでしか「売る」ということは想定されていなかったと思われます。
そのような背景もあり、本誌内には掲載のレシピを使って作ったお洋服の販売について明確な記載はなく、販売に関しては個人のモラルに委ねられているような状態です。

また、著作権に関する記載がないからと言って著作権フリーな訳ではありません。

本の内容の複製については本誌内に明記されています。

本誌掲載の写真・イラスト・カット及び記事の無断転載を禁じます。

わたしのドールブック リカちゃん no.1 フエルトあそび より引用

部長の感想

表紙の色鮮やかなドレスが目を引く1冊。

タイトルの「フエルトあそび」を見ると、子どものお人形遊び(ドレス作り)を想定した内容に思えます。
事実、子ども向けだろうな、と思われる箇所もあるのですが、なかなかどうして、大人でも十分作り応えのある作品の詰まった本になっています。

良かった点

掲載のドレスはどれもスカート部分が6枚はぎやギャザー寄せになっていて、シンプル系のものでも裾が広がるようなデザインのものが多数です。
王道とも言えるウエディングドレスやロングドレスの他に、民族衣装・ピエロ・スイーツを意識した個性的なドレス、スパンコールを散りばめた華やかなドレス、アンティーク風ドレス等、ドレスだけで驚きの種類が掲載されています。

それぞれのドレスに合わせた帽子のレシピがあるため、帽子の数がめちゃくちゃ多いです。
バッグの種類も豊富です。

そもそもの使用布がフェルトなので、端の始末が不要なのは嬉しいですね。
そのフェルトも、使用サイズが20cm×20cmと、手芸店でも100均でも売っているサイズで入手しやすいです。

ちょっと微妙な点

カラーページ以降は作り方と型紙が所狭しと並び、かなり見辛いです。
レシピは基本的に1アイテムにつき1枚のイラストがあり、その1枚に全工程が書かれています。
①②…と工程に番号は振られていますが、スペースが狭いためか、矢印をして番号が書かれているだけの箇所や「スナップ」とだけ書いてある箇所が多々あります。
よく読めば番号通りに縫っていくことやスナップボタンをつけることはわかるのですが、説明が丁寧とは言えません。

見本通りに作ろうとすると、ほとんどのドレスの装飾に、手芸用ボンドかステッチ(刺繍)が必須になります。
なくても省略して作ることはできますが、そうすると出来がだいぶシンプルになってしまうので、そのあたりは人を選ぶかもしれません。

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