【レシピ本レビュー】わたしのドールブック ジェニー no.1 パーティードレス

市販のレシピ

こんにちわ、お人形手芸部 部長の三島るぃです。

たくさん種類のある、お人形手芸に関する本。
どんなレシピが載ってるの? 作りやすさは??

今回紹介するのは「わたしのドールブック ジェニー no.1 パーティードレス」
基本的な内容と、実際に読んだ(使ってみた)感想をお伝えします。

わたしのドールブック ジェニー no.1 パーティードレス

基本データ

発売日1995年1月1日
1997年7月1日(新装版)
著者
出版社日本ヴォーグ社
ページ数88P
ISBN978-4529029742(新装版)
わたしのドールブック ジェニー no.1 パーティードレス

著者名はありませんが、紹介されているレシピのデザインに、元株式会社タカラのジェニーデザイナーでテディベア作家の市川和子さん、吉田晶子さん、和田恵美子さん、田口美子さん、古閑くに子さん、KAWAMURAさんの他、ジェニー誌読者デザイナーとして、竹本とも子さん、徳江巳喜さん、加藤福代さん、加藤寿子さんの名前がクレジットされています。

1995年に発売されたものは「ジェニーパーティードレス」というタイトルでしたが、わたしのドールブックのジェニー・リカちゃんのレシピ本がそれぞれシリーズ化されたからか、1997年の新装版よりタイトルが「ジェニー no.1 パーティードレス」と改められました。

すでに絶版となっているので書店で注文はできませんが、古本店やネット通販、フリマサイトを通じて入手することは可能です。

特徴

本のタイトルが「ジェニーの」なので、ジェニーをはじめとする1/6ドール、いわゆる27cmドールサイズのレシピ集です。
フェルトを使ったドレスやインナーも複数掲載されています。

パーティードレスというだけあって、掲載のレシピは裾がふわっと広がるイメージのワンピースタイプのドレスがほとんどです。
パーティードレスを着たジェニー達をエスコートする男性ドールのお洋服が数点と、パーティースタイルのヘアアレンジの掲載もあります。
ほとんどのドレスのレシピでギャザー寄せ・袖付けが必須のため、あまり難しくないレシピの掲載もあるものの、全体的にそれなりのお裁縫レベルがある人向けの内容かな、という印象です。

27cmドール用の型紙を大まかに21cmドール用にアレンジする方法(ジェニーの服の型紙をリカちゃん用の型紙に調整する方法)が小さく掲載されているので、リカちゃんサイズで作って着せることも可能です。
ただし、他の本のレシピを掲載の調整方法でリサイズしようとするとうまくいかないものが多数あったので、あくまで参考程度なのかもしれません。

お洋服は全てのレシピに実物大型紙が収録されています。
作り方に関しては、残念ながら順を追って丁寧に工程を説明するページはなく、手順の全てがイラスト解説です。

お洋服・小物はカラーページで載っており、型紙のページは厚紙のような質感の紙に1色刷りになっています。

  • 掲載レシピのほとんどがワンピースタイプのドレス
  • 男性ドール用のお洋服レシピも数点掲載されている
  • 全体的に要求されるお裁縫レベルはそれなり
  • お洋服は全て実物大の型紙が収録

レシピの数と種類

レシピの番号は40まで振られていますが、38-A・38-B…といった振り方をしている箇所もあるので、単純に数えると約100点の掲載があります。
ただし、ベースは同じ型紙でアレンジを変えたものが複数点掲載されていたり、ピアス・ネックレス等のアクセサリーも含まれているので、お洋服のレシピだけに絞ると数はぐっと少なくなります。

アイテムのタイトルは本の中では「〇〇色のワンピース」といった表記が多く、アイテム名は私が個人的にまとめたものになります。
どうしても同じアイテム名になってしまうものや、表記方法に迷うものもありましたので、全てを網羅できているわけではないことをご了承ください。

カテゴリアイテム
ワンピース木綿のドレス
フェルトのドレス
フェルトのシンプルワンピース
チェックワンピース
レースワンピース
ロングドレス
フォーマルドレス
ベアトップドレス
アンティーク風ドレス
トップスフェルトブラウス
シルクのツーピース(上)
コート
タキシード(メンズ)
シャツ(メンズ)
ベスト(メンズ)
カマーバンド(メンズ)
ボトムスフェルトスカート
アンティーク風スカート
パンツ(メンズ)
ソックスストッキング
透かし柄のソックス
靴下(メンズ)
アンダーウェアワンピース(アンダーウェア)
レースの下着
ブラジャー
ショーツ
パンツ
ペチコート
スリップ
服以外の小物エプロン
ヘアーバンド
リボン
木綿の帽子
フェルトの帽子
クマの帽子
ショール
ストール
フェルトのサンダル
レースのバッグ
フェルトバッグ
クマのバッグ
ビーズ織のバッグ
グローブ
スカーフ
蝶ネクタイ
その他ネックレス
ブレスレット
ピアス
チョーカー
スカーフどめ
ひも結びのクツ

記載のレシピを使って作品を作る際の注意点

この本が発売された当時はまだパソコン通信の時代で、インターネット接続は非常に稀、今ほどパソコンも一般にそこまで普及していませんでした。
作ったお洋服についても「個人が家庭内・お友達同士で楽しむ」ことが前提で、おそらく地域のバザー程度くらいでしか「売る」ということは想定されていなかったと思われます。
そのような背景もあり、本誌内には掲載のレシピを使って作ったお洋服の販売について明確な記載はなく、販売に関しては個人のモラルに委ねられているような状態です。

また、著作権に関する記載がないからと言って著作権フリーな訳ではありません。

本の内容の複製については本誌内に明記されています。

本誌掲載の写真・イラスト・カット及び記事の無断転載を禁じます。

わたしのドールブック ジェニーのパーティードレス より引用

部長の感想

私が持っているのは新装版ではなく、1995年版の「ジェニーパーティードレス」のほうです。
今回この記事を書くまで新装版が出ている(タイトルが微妙に変わっている)ことを知らなかったので、ちょっとびっくりしました。

本誌内に登場する「ジェニー誌読者デザイナー」のジェニー誌は、たぶんこの時期に発売されていた、同じ日本ヴォーグ社発売の季刊誌「JeNnY」のことだと思います。

良かった点

これぞ王道!といった華やかなドレスが多数掲載されています。
「パーティードレス」の名に偽りなし。

フェルトのドレスも凝った作りです。

ドレスを着こなすジェニー達をエスコートするジェフ達メンズのフォーマルスーツのレシピの掲載るのは嬉しいですね。
男性ドール用のお洋服のレシピは少ないので貴重です。

序盤から素敵なドレスが登場していますが、中盤以降のドレスは圧巻の美しさです。
フォーマルドレスのデザインとヘアアレンジを担当されている、”加藤シスターズ”こと加藤福代さん・加藤寿子さんのお2人は、この本の中では「ジェニー誌読者デザイナー」と紹介されていますが、その後、わたしのドールブックシリーズの複数のタイトルを著され、ハンドメイドスクールの大手・ヴォーグ学園で講師もされています。

嬉しいのが、27cmドール用の型紙を大まかに21cmドール用にアレンジする方法(ジェニーの服の型紙をリカちゃん用の型紙に調整する方法)が掲載されている点。
見落としそうなくらい小さな表記ですが、リカちゃんサイズへの調整ができるのは単純に嬉しいです。
ただし、本の特徴のところにも書きましたが、他の本に載っている27cmドール用の型紙を掲載の調整方法でリサイズしようとするとあまりうまくいかなかったので、あくまでこの本のレシピのアレンジ方法か、参考程度なのかもしれません。

ちょっと微妙な点

全体的に要求される手芸レベルが高く、初心者さんにはなかなか厳しい内容となっています。

世のレシピ本って、たいてい最初の2~3ページくらいまでは入門編というか、比較的難易度の低い作品が掲載されていることが多いと思うのですが、この本に関しては、表紙をめくって1ページ目の作品からパフスリーブ・袖付け・衿(レース付け)・スカートギャザー寄せ・ゴム引きピンタックを要求されます。

シンプルなフェルトのワンピースも、シルエットこそシンプルですが装飾が細かく、見本通りに作ろうと思うと一筋縄ではいきません。

作り方の説明もかなりシンプルなので、どちらかと言えば、すでにある程度のことはわかっている裁縫(洋裁)経験者向けの内容とも言えそうです。

最も残念に思うは、バッグのパーツが何なのかよくわからない、というところ。
いくつか掲載されている素敵なバッグ、材料が「アクセサリーのパーツ」という記載で、それが何なのかがわからないんですよね。
ない場合の代替も記載があるにはあるのですが「ティモテのティアラ・かみかざりをカットしたもの」…って、本の発売当時に発売されていたジェニーフレンド、ティモテのティアラや髪飾りを今手に入れるのは相当困難…!
当時はそれで大丈夫だったのかもしれないですが、今となっては代替案になっていないです…。

巻末に当時(1995年)のジェニー関連商品の発売情報が掲載されているページが3ページほどあり、見ているとめちゃくちゃ欲しくなりますが、当たり前ですが今では手に入らないものばかりなので、残念と言えば残念ですね。

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