こんにちわ、お人形手芸部 部長の三島るぃです。
たくさん種類のある、お人形手芸に関する本。
どんなレシピが載ってるの? 作りやすさは??
今回紹介するのは「JeNnYファッションクラブ(ジェニーファッションクラブ) no.4」
基本的な内容と、実際に読んだ(使ってみた)感想をお伝えします。
JeNnYファッションクラブ no.4
基本データ
発売日 | 1988年4月1日 |
著者 | ー |
出版社 | 日本ヴォーグ社 |
ページ数 | 130P |
ISBN | 978-4529016261 |
著者名はありませんが、紹介されているレシピのデザインに、当時株式会社タカラでジェニーの企画を担当されていた餘家みゆきさん、リオ横山企画室のこがゆきおさん、村上裕子さん、たむらひとみさん、小口憬子さん、水田和子さん、田中勝代さん、きゆなはれるさん、他、アドバイザー等で多数の方のお名前がクレジットされています。
すでに絶版となっているので書店で注文はできませんが、古本店やネット通販、フリマサイトを通じて入手することは可能です。
特徴
1986年から発行されている『JeNnYファッションクラブ』の第4弾。
発行年である1988年当時にタカラトミーが発売していたジェニー(とジェニーフレンド)のお洋服・市販品38着の型紙&作り方が掲載された本です。
1988年発行と古い本なので、現在ではあまり見かけないデザイン、オシャレとは言えなさそうなデザインもチラホラ見られます。
見る側の感覚によっては「レトロ可愛い」となりそうなので、人によるとは思いますが・・・。
小さい子どもさんでも着せ替えがしやすい、少しゆったりしたシルエットのものが多めです。
市販されていたお洋服、とあって、ドレス(ワンピース)が多め。
ですが、ドレスに付属するショールなどの小物や、少しよそ行きの服、普段着・・・と掲載の服のバリエーションはわりと豊かです。
お洋服はほぼ全てのレシピに実物大型紙が収録されています。
作り方に関しては、残念ながら順を追って丁寧に工程を説明するページはなく、手順もほぼ全てが写真ではなくイラストです。
型紙は5mmの縫い代が含まれており、型紙に縫い代が書かれていないので、点線や実線で縫い代が書かれたレシピを見慣れている方は少し戸惑ってしまうかもしれません。
一部の小物については、寸法だけの記載で実物大型紙がなかったり、図解がなくて1文だけの簡単な説明に留めているものもあります。
コチラの本の発行当時の大人の女性(だいたい昭和40年代以前の生まれの方)で「お裁縫ができない(苦手、ではなく出来ない)」「お裁縫をしたことがない」という方はかなり少なかったようなので、解説の簡単さや一部省略などは、そのあたりの事情の影響もあるのかもしれません。
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『ジェニーとおそろい』というページがあり、6着ですが、掲載の型紙の130cm・140cm・150cm・レディースMサイズの型紙が載っています。
縮小サイズで載っているので、自身で実物大の型紙を作る必要がありますが、お人形・お子さん・ママのお揃いが実現できます。
見本となるお洋服のカラー写真は、残念ながら表紙と裏表紙の小さな写真だけ。
一応各作り方のページに写真はありますが2色刷りになっており、商品写真の1ショットしかないので、横や後ろから見るとどうなっているのかは想像を膨らませるしかありません。
数点ながら、ボーフレンド人形のお洋服が載っているのは嬉しいところ。
持っている人(流通)が少なかったのか需要が少なかったのか、男性ドールのお洋服の型紙はあまりないので、掲載は貴重です。
- 当時の市販品を再現できる型紙が掲載
- お洋服は全て実物大の型紙が収録
- 作り方の手順解説などはあまり初心者向きではない
- 数点だが人間用の型紙の作り方があり、お人形と『お揃い』が出来る
- ボーイフレンド人形用の型紙の掲載もアリ
レシピの数と種類
当時の市販品38着分のレシピが掲載されています。
ワンピース1つで1着のものもあれば、トップスとボトムで1着のもの、小物もついて1着のものもあるので、掲載されているお洋服の数自体は38よりも多いです。
レシピ番号 | アイテム名 | カテゴリ |
---|---|---|
1 | 白いウェディングドレス | ワンピース |
2 | ピンクのロングドレス① | ワンピース |
3 | オーロラピンクのロングドレス ヘアかざり | ワンピース 小物 |
4 | ピンクのロングドレス② ヘアかざり | ワンピース 小物 |
5 | ベージュのロングドレス | ワンピース |
6 | 黒のロングドレス ストール てぶくろ (帽子) (かさ) | ワンピース 小物 小物 (小物) (小物) |
7 | 白いワンピース | ワンピース |
8 | 黒いパーティドレス① ヘアかざり | ワンピース 小物 |
9 | 黒いパーティドレス② | ワンピース |
10 | 水色のパーティドドレス ストール | ワンピース 小物 |
11 | 赤いパーティドレス ヘアかざり ストッキング | ワンピース 小物 ソックス |
12 | ピンクのバルーンドレス 帽子 | ワンピース 小物 |
13 | ピンクにバラの花もようのワンピース | ワンピース |
14 | ピンクにリボンもようのワンピース | ワンピース |
15 | 白いボレロ 黒地のワンピース | アウター ワンピース |
16 | 赤いニットカーディガン 白地のワンピース | アウター ワンピース |
17 | 赤いギンガムチェックのカントリードレス アンダースカート エプロン | ワンピース ボトムス エプロン |
18 | ピンクのオーバーブラウス 赤地のドレス アンダースカート ブローチ | アウター ワンピース ボトムス 小物 |
19 | 水色の壁紙プリントのワンピース | ワンピース |
20 | 白いオーバースカートつきのワンピース | ワンピース |
21 | ピンクの小花プリントの5分そでワンピース | ワンピース |
22 | 白いブラウス ジャンパースカート | トップス ワンピース |
23 | サーモンピンクのバルーンパンツスーツ 上着 帽子 ハイソックス | ワンピース アウター 小物 ソックス |
24 | オーバーブラウスつきのミニドレス | ワンピース |
25 | 赤地にリボンもようのワンピース | ワンピース |
26 | 赤いギンガムチェックのサンドレス | ワンピース |
27 | 赤い水玉もようのサンドレス | ワンピース |
28 | 黄色いギンガムチェックのサンドレス | ワンピース |
29 | ローウエストでプリーツスカートのドレス ヘアかざり ストッキング てぶくろ | ワンピース 小物 ソックス 小物 |
30 | ペパーミントグリーンのボレロ ワンピース | アウター ワンピース |
31 | ピンクの上着 ハイネックのシャツ パンツ | アウター トップス ボトムス |
32 | スタジアムジャンパー ポロシャツ キュロット | アウター トップス ボトムス |
33 | セーラーカラーのミニワンピース ハイソックス | ワンピース ソックス |
34 | 半そでシャツ ギャザースカート | トップス ボトムス |
35 | カーキ色のワンピース | ワンピース |
36 | Vネックのトレーナー*メンズ ズボン*メンズ | トップス ボトムス |
37 | オーバーコート*メンズ | アウター |
38 | フォーマルスーツ*メンズ うわぎ ズボン ブラウス くつ下 | アウター ボトムス トップス ソックス |
記載のレシピを使って作品を作る際の注意点
掲載されている型紙を使用して作った作品を販売することは禁止されていますのでご注意ください。
この本のデザインで作った作品を販売することはできませんのでご注意ください。
JeNnYファッションクラブ no.4より引用
部長の感想
JeNnYファッションクラブno.1~no.5をまとめた「総集編」を持っていて、個別にはno.1、no.2、no.5しか持っていませんでした。
総集編があるからいいや~、と思っていたのですが、小さい辞書くらいの厚みがある総集編からは型紙を写しにくく、フリマサイトで購入しました。
(これで持っていないのはno.3だけになりました。総集編があるからいいかなぁ・・・悩む・・・)
当時の子どもの夢の集大成のような本です。
田舎ではオモチャのラインナップが乏しく、今ほど通販(流通)も栄えておらず、着せ替えの服なんて滅多と買ってもらえなかったので、ハンカチを巻いてドレスにして遊んでいました。
「ハンカチじゃなくてちゃんとした(?)着替えの服が欲しい!!」を実現してくれる1冊です。
良かった点
良かった点に関しては思い出補正が多分に入っておりますが・・・。
なんと言っても1番の良かった点は、掲載レシピの多さでしょう。
38着分ですが、お洋服が38枚ではなく、38コーディネート分なので、ボリューム大。
実際、そのボリューミーさで他のJeNnYファッションクラブより、明らかにno.4だけ分厚いです。
ドレスだけではなく普段着も掲載されているのも魅力です。
私は最近まで男性人形を持っていなかったので、仮に当時この本を手にしていてもスルーしていたかもしれませんが、リカちゃんのパパを所持している今ならボーイフレンド人形の型紙が載っているのはとっても嬉しいです。
男性ドールを持っていらっしゃる方は実感されていると思います。型紙の少なさ。
型紙は本をそのまま切り取ることも考慮してか、片面が型紙となっている場合、もう片面は「読者のおたより」が掲載されていて、型紙を切ったら作り方がわからなくなってしまった・・・という事態にはなりません。
「読者のおたより」も下は3歳(ママが代筆)から、上は65歳までと幅広い層から寄せられていて、これまたすごくボリュームがあるので、読んで楽しいです。(時代を感じる内容も多くて面白いです)
表紙をめくってすぐのページに「BE CAREFUL」(注意書き)があるのですが、その内容の一部に『お店で売っているお洋服の布は手に入りにくいものがあるから、こだわらずに身近なもので作ってね』『お洋服作りに慣れていない人は、出来る範囲で仕上げて楽しく作ろう』みたいなことが書かれていて、ちょっと励まされます。
ちょっと微妙な点
本文は2色刷り(になるのかな?)でフルカラーではないので、カラー写真は表紙の小さなジェニーのみで、わかりにくいです。
本文にも写真は載っていますが・・お洋服の白っぽい部分はハッキリわからず、細かい箇所も作り方のイラストを頼ってもちょっとわかりにくいところがあります。
JeNnYファッションクラブ no.1の時のレビューと重複しますが、たくさんの型紙が掲載されているのが嬉しい反面、作り方の工程の説明が非常にシンプルで、一見ではわかりにくくなってしまっています。
掲載レシピの多さから紙面に限りがあったのか、1枚のイラストにいくつもの工程が書かれていたり。
お洋服以外の小物については、省略されているもの、説明が不十分なものが目立ちます。
例えば、6の黒のロングドレス。
ドレスにバッグ・ストール・帽子・傘・手袋が付属した豪華なデザインなのですが、①バッグは型紙も作り方も載っていない ②帽子本体についての記載が不十分(飾りの布やレースには記載があるが、それを「土台に接着する」となっており、その土台については記載がない) ③傘の骨や持ち手についての言及がない(作り方に書いてある「金具をはめます」の金具が骨や持ち手のことだと思われるが、それがどういうものなのか記載がないので個人では用意しづらい)・・・等の問題があり、フルセットで作製するのは困難です。
令和の今ならネットで「ドール 帽子 土台」「ドール用 傘」とかで検索するなどして情報を漁ることもできますが、昭和の当時はお手上げだったのでは・・・?
そしてやはりデザイン。
「そういうもの」と言えば「そういうもの」ではあるのですが、どうしても一部のデザインが今では古臭く感じてしまいます。
29のローウエストでプリーツスカートのドレスは、びっくりするくらいローウエストで、ものすごく下にプリーツがあって・・・当時はこれがオシャレな感じだったのかもしれませんが、今見るととても不思議なデザインに思えます。
当時のジェニーはカントリー調のドレスを着ていることが多かったこともあるのか、その雰囲気のお洋服が多い印象です。
全体的にシルエットもゆったりしているので、好みによって「すごくかわいい」と「ダサい」に意見が分かれそう。
その他
また、こちらの本、すでに絶版となっているので書店で注文できず、古本店やネット通販、フリマサイトを通じて…あたりの方法でしか入手することは不可能です。
2004年に1度、no.1~no.5までの内容をまとめた総集編が出版されましたが、こちらも現在では絶版となっており、古本店やネット通販、フリマサイトを通じて…あたりの方法でしか入手できないような状況になっています。
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