【レシピ本レビュー】はじめてのドール・コーディネイト・レシピ -お人形服作りの基本とコツ-

市販のレシピ

こんにちわ、お人形手芸部 部長の三島るぃです。

たくさん種類のある、お人形手芸に関する本。
どんなレシピが載ってるの? 作りやすさは??

今回紹介するのは「はじめてのドール・コーディネイト・レシピ -お人形服作りの基本とコツ-」
基本的な内容と、実際に読んだ(使ってみた)感想をお伝えします。

はじめてのドール・コーディネイト・レシピ -お人形服作りの基本とコツ-

基本データ

発売日2009年1月16日
著者 関口 妙子
出版社グラフィック社
ページ数80P
ISBN 978-4-7661-1982-4
はじめてのドール・コーディネイト・レシピ -お人形服作りの基本とコツ-

著者はドール服作家の関口妙子さん。

特徴

11cm、20cm、22cm、27cm、42cmのドールサイズに対応。
5サイズ全ての実物大型紙が収録されています。
リカちゃん人形なら20cm、リカちゃんのママやジェニーなら27cmの型紙が使えます。
(27cmの型紙はアイテムによっては調整が必要)

80Pはオールカラーで、収録アイテム全部布を切ったところから完成までの工程を写真付きで解説してくれています。
写真の見本も、白い布に赤い糸を使ってくれているので、どこをどう縫うのかがわかりやすくなっています。

また、アイテム毎に5段階評価の難易度も記載されています。

  • 実物大の型紙が収録
  • いろいろなサイズのお人形に対応した型紙が掲載されている
  • 全ての掲載アイテムの、完成までの工程を写真付きで丁寧に解説
  • 難易度の記載があるので自分のレベルに合わせてチャレンジしやすい

レシピの数と種類

掲載されているレシピは9アイテム
「はじめての」「基本」というだけあって、デザインもシンプルなものばかりです。

カテゴリアイテム
ワンピースワンピース
トップスブラウス
タンクトップ
テーラードジャケット
ボトムスハーフパンツ
タックスカート
かぼちゃパンツ
ソックスソックス
服以外の小物トートバッグ

全て作成にはミシンを使用(一部の工程で手縫いの個所があります)、ほとんどのアイテムで下準備にほつれ止め液を塗るように書いているので、レシピ通りに作ろうと思ったらミシンとほつれ止め液は必須です。

記載のレシピを使って作品を作る際の注意点

掲載されている型紙を使用・流用して作った作品を販売することは禁止されていますのでご注意ください。

本書に掲載されている型紙は、お買い求めいただいたみなさまに個人で作って楽しんで頂くためのものです。

著作権の権利は、著作権法及び国際法により、保護されています。個人、企業を問わず、本書に掲載されている型紙を使用、もしくは流用したと認められるものについての無断での商用利用は、インターネット、人形イベント等での販売をはじめ、いかなる場合でも禁じます。

違反された場合は、法的手段を取らせていただきます。

はじめてのドール・コーディネイト・レシピ-お人形服作りの基本とコツ- 巻末より引用

部長の感想

本のタイトルに「はじめての」とあるので、最初の1冊に、と手に取った方も多いのではないでしょうか。

私も完全にその口ですが、実際に買って読んで作ってみると気になるところがいくつかありました。

良かった点

メインの1~2アイテムだけ詳しい工程が載っていて、他のアイテムは言葉だけで簡単に手順が書いてある…といった本が多い中、掲載されている全てのレシピで、完成までの工程が写真付きで丁寧に解説されているのは嬉しかったです。

「型紙の写し方」「ミシンでドール服を縫うときのコツ」といったコラムのページが初めてお人形の服を作る人にはとても勉強になる内容でした。
イラストも大きめでわかりやすかったです。
コラムは合計7ページあるので、けっこうガッツリ読んでしまいました。

5サイズの実物大型紙が収録されているので、大きさの違うお人形の『おそろいの服』が作りやすいのもいいですね。
例えば、リカちゃんとリカちゃんのママを持っていたら、20cmと27cmの型紙を使えば、 型紙を拡大したり縮小したり…といったことをせずにおそろいのワンピース作りに取りかかれます。
サイズの違う人形をいくつか持っているならポイントが高いのではないでしょうか。

ちょっと微妙な点

「はじめての」とあるので初心者向けに作られた本だとは思うのですが、ドールファンの ”大人の” 初心者向けであって、服を作ってみたい子ども向け、子どもと一緒に作りたい初心者向け、ではありません。

子どもの着せ替え遊びを想定した本ではないので、子どものためにリカちゃんの着せ替え服を作ってあげたい初心者さんにはちょっと難易度が高い内容なのではないでしょうか。
アイテムはどれもすごく丁寧なつくりなので、長く遊べる1着になるのは間違いないと思うのですけど…。

特にいくつかのレシピで服を着せて留めるのに使われている「糸ループ」
片側に編んで太くした糸を輪状にしたもの、もう片側にビーズを縫い付けて引っ掛けて留める方法です。
テープやスナップボタンに変えればよいだけではあるのですが、糸ループは特に小さな子どもには脱ぎ着させるのが難しいと思います。

シャツの袖にギャザーを寄せる・裏地をつける等、かなり本格派な作り方をしているものもあるので、自身のお裁縫レベルによっては紹介されている9アイテム全部は作れない、ということも十分にありえます。
私はギャザーがうまく寄せられないので、まずワンピース(スカートにギャザー寄せが必要)で挫折、袖付けができないのでブラウス・テーラードジャケットは難易度が高すぎて手も付けられない…と、全部どころか2~3個しか作れない感じでした…。

慣れている方なら手の抜き方(ここは端折っても大丈夫、とか)もわかると思うのですが、初心者にはそれもわからないので、途方もない工程が立ちはだかります。

5サイズの展開があるものの、レシピの種類自体は9つなので、色々な服を作りたい人にはこの1冊だけでは数が少ないかもしれませんね。
私は本の購入時点では手元にあるのがリカちゃん人形だけだったので、11cm・22cm・27cm・42cmの型紙(収録されている型紙の80%)が不要な状態でした。
自分のスキル不足が悪いのですが、スキルと照らし合わせると2~3個のアイテムを作るために本1冊、という感じになってしまいました。

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